患者さんが子どもの場合、声かけにも注意が必要です。泣いている子どもに「泣いちゃダメよ」「お兄ちゃん・お姉ちゃんだから我慢しようね」など声かけするのはあまりよろしくありません。子どもに泣くのを禁止すると、多くの場合、余計に不安が大きくなって泣き止まなくなります。
大人でも気持ちを否定されると悲しくなるものです。ましてや相手は子どもであり、怖いイメージを抱きがちな病院という場所にいるため、余計に不安になってしまいます。まずは「病院怖いよね」「泣きたいよね」と気持ちに寄り添って肯定してあげましょう。
また、子どもだからといって、治療や検査の内容を説明しないのもNGです。相手の年齢に合わせて、これからどんな治療をするのか、何のために検査をするのか分かりやすく説明しましょう。すべて理解できなくても、検査や治療が、自分にとってプラスになることだと分かってもらえれば、きちんと納得してくれます。
質問をする場合は、小さな子どもは大人と比べて語彙が少ないため、答えやすい質問を心がけましょう。「今はどのくらい痛いかな?」「一番痛かった時が10として、今の痛みは0~10の間のどこかな?」といったような、具体的な手法を用いて聞くと相手も答えやすくなります。その後、検査や治療が終わったら、「えらかった」「よくがんばったね」としっかり褒めてあげましょう。
さらに、親への声かけも重要になってきます。子どもが体調を崩すと親はとても不安になるもの。その不安に寄り添ったうえで状況をしっかりと聞き、治療や検査などを丁寧に説明し、親の不安を軽減することに努めましょう。